マイルスに生意気なことをしたプロモーターに怒ったマイルスのセリフです。マイルスは特別な才能を持った人間だから、という見方もありますが、我々も感を得るところがあります。松下幸之助も「卑屈な努力までする必要はない」というようなことをいっています。我々のビジネスの世の中は、利口に振る舞う利巧な人間が幅をきかせています。マイルスも金儲けの主導権を握る白人たちに敏感でした。ロシアの小説家、ゴンブローヴィッチのように永遠の青二才となって反抗するシーンも必要なのだと思います。特に「逃げるが勝ちだ」というフレーズがたまらなくかっこいいのです。

『MILES ON MILES』より